京都と大阪の間、長岡京の駅前再開発エリアに隣接する賃貸集合住宅です。
計画のスタート時からクライアントとの対話を通じ、いくつかの方針が決まっていきました。
- 大きなボリュームや多くの戸数を詰め込むのではなく、周辺環境との調和を。
- 内装や設備のグレードといった要素ではなく、ゆたかな空間そのものが将来に渡って価値を持ち続けること。
- 南北の広がりや線路沿いという敷地の特性を活かすこと。
これらは計画・詳細設計を経てクライアント、設計者、施工会社との綿密な打合せと検討を重ねながら現実化されていきました。
完成した建物は15戸/5階建という構成のなかで、様々な形状のメゾネット、L字型、T字型と、ほぼ全ての住戸が異なる平面を持ちながら、それらが立体的に重なり合い全体は比較的コンパクトなボリュームとなっています。
白を基調とした外観は部分的にコンクリートの素材感を出し、水平・垂直各方向に「抜け」をつくることで量感を際立たせるとともに、壁面の重なりが作り出す陰影が空間に奥行きと厚みを感じさせます。
また線路沿いという特性、南北に開けた土地という特徴は東面のファサードや、中央に大きくたっぷりと採った共用部分などに現れています。

内部においては、メンテナンスの観点から仕上げなどは一般的なものとしながら、各室の間取りは様々なタイプを混在させることで、SOHOや一人暮らし、カップルでの生活、子供のいる家庭など、多様な生活形式に対応するように計画しています。(MILLS ARCHITECTS STUDIO/鍵谷・井上)
堂々たるその威容は、さながら白亜の宮殿だ。 同時に、キューブ状にくり抜かれたベランダと左右非対称の絶妙なバランスが、舞い降りた白鳥のような軽やかな印象をも与えている。 重厚さと軽やかさ、相反する二つの要素を矛盾なく同居させているのは、この建物の持つシンプルで優雅な存在感だ。
古の眠る街。 偉大なる白は、どんな日も変わらずその洗練された立ち姿を誇り続けることだろう。


写真撮影:鈴木研一
建物名称:grand blanc
設計:MILLS ARCHITECTS STUDIO
施工:公成建設株式会社
用途:共同住宅(賃貸)
構造・規模:RC造5階建
敷地面積:833.74 ㎡
建築面積:294.69 ㎡
延床面積:1023.10 ㎡
MILLS ARCHITECTS STUDIO http://www.studiomills.co.uk/
鍵谷啓太/Keita Kagitani

1993-1994 スイス、イタリア在住
Ivano Gianora Architetto FAS勤務
1996 筑波大学芸術専門学群卒業
1996 松村組大阪本店設計部勤務
2000 kagi design shift. 設立
2004 MILLS architects studio共同設立
井上佐和子/Sawako Inoue

1994京都工芸繊維大学造形工学科卒業
1994 松村組大阪本店設計部勤務
2001-2003 イギリス在住.Univ. East
LondonにてPeter Salterに師事
2003 ICU一級建築士事務所 所属
2004 MILLS architects studio 共同設立





