白い壁と大きな窓。モデルルームのようなこの部屋が、築30年のマンションの一室だという。
お施主様こだわりの、シックな黒のソファにあわせてデザインされたリビング。
選び抜かれた家具と装飾、それらの配置を完全に計算しつくした空間。
白い壁にかかる一幅の絵は、まるで画廊をそのまま切り取ってきたかのような印象を与える。それでいながら、キッチンや洗面、生活に密着するスペースとの間に、いかなる齟齬も見出せない。
完璧なバランスで、「美」と「生」は両立する。


築30年、3LDK、間口3.5間、80㎡のマンション。南バルコニーに面した間口1.5間の和室、2間の洋室の居室が二つ。玄関横に6帖の洋室、反対側に水回り、中央にキッチン、ダイニング、リビングの、1970年代に建てられた共同住宅の典型的な間取りのプランである。
夫婦、子供2人(成人)の家族4人が暮らすこの住まいの改装では、今までの形態を残さず一新し、近い将来の家族構成の変化や、生活スタイルにフレキシブルに対応できるプランを考えた。
間取りの基本的な考えは、ワンルームのように広く使え、家族の空間を完全に自立させず、障子や引戸などで曖昧に柔らかく引き離し、家族がお互いの気配を感じ取ることが出来るようにした。

窓のなかったユニットバスは、ケヤキが美しく見える既存の窓に面して、浴室、洗面を配し、明るく開放的な水周りとした。キッチンを部屋の中心に設け、ダイニング、リビングが一体となるようにした。西側の窓から眺められるケヤキや、障子で仕切られた和室が連続した空間となり、緑や光、風が抜け、気持ち良く日々の生活が楽しく過せる。
又、梁を隠した間接照明の演出により、夜は昼間とは違った雰囲気の、魅力的な空間となる。
(大西憲司設計工房 大西憲司)
構造:RC マンション2階
(リフォーム)
建築面積:78㎡
延床面積:78㎡
竣工:2008年8月25日
設計:大西憲司設計工房
施工:株式会社かわな工業
大西憲司設計工房 http://ohnishi-net.com/
大西 憲司/Kenji Ohnishi

1971年4月 清水和弥設計事務所 入所
1983年5月 オーク建築研究所 入所
1998年7月 大西憲司設計工房 開設
2003年 日本建築士連合会作品展優秀賞「御領の家」
2005年 大阪府建築コンクール大阪府知事賞「戸建の木の集合住宅」
他、賞暦多数





