2009/06/18

施主のO夫妻との出会いは、宇治市での建築家展でした。
お二人の話をお聞きしていると、敷地は会場のすぐ近くで丘の上を造成中の場所でした。 工事予算は厳しいものの、建築への理解と住まいへの明確なイメージが私の家に対する考えにマッチしたのだと思います。 シンプル&モダンで外観は黒白の希望、私が敷地から受けたイメージにほぼ同じでした。 たまたま私自身の家をRC造で設計を進めていたこともあり、OさんへもシンプルなRC造案で提案しましたが、詳細設計を終え工事見積もりを出してみたら、残念ながら予算オーバー。 同じプランで、急きょ木造へ設計変更となりました。

広い玄関スペースの上、長さ3.35メートルのステンレス製アイランド式キッチンを中心にした、
リビングダイニングに家族友人が集う家です。 
タイル業をされているご主人は、リビングダイニングの床から総てのタイル張りは自身でやって下さった上に、設備機器も直接購入して下さいました。
私の設計は内外ともにシンプルな形状と色合いが多いのですが、この細部の納まりが工事の出来不出来を左右するわけです。 工事担当者は熱心で丁寧な対応でこちらの意図も充分反映できました。
姉弟のお子様二人を含め、四人家族は明るく楽しい生活をスタートされています。
私は事務所を始めて20年以上になりますが、工事完了までお互い信頼しつつ、喜んでいただけまして設計者冥利につきると感謝しております。


写真家:スタジオポストモダン 泉幸男
田中幸実建築アトリエ http://www7a.biglobe.ne.jp/~ty-atelier/
田中幸実/Yukimi Tanaka

1969 (株)クボタ(鉄橋事業部橋梁設計課 入社
1975 渡米。建築の勉強を始める
1980 大沼設計事務所(東京) 入社
1985 安井建築設計室(大阪) 入社
1987 田中幸実建築アトリエ 設立
町田ひろ子インテリアスクール講師
兵庫県弁護士会 建築紛争専門員
kawana @ 4:33 PM
2009/03/30
豊中市の北部、箕面の山へ続く幹線道路沿いに建つレストラン(1、2階)と自宅(3階)が併用されたRC3層の建物である。計画地の道路向かい側で10年間営業され、リニューアルするか移転するかで迷っていた時、計画地を購入出来るチャンスに恵まれた。施主は関西では著名なオーナーシェフで熱烈なファンも多い。
2階レストラン夕暮れの様子 waiting spaceから個室の方向を見る

計画は3階自宅の生活臭を消し、フレンチレストランとしての非日常性を際立たせること。建物の高さは10mを超え(レストラン部分の階高は4mある)、豊中市の中高層規制に抵触する。景観条例(店名は白い家だが白色に対するマンセル値の規制、3階部分の外壁色に対する指導、植栽計画の指導等)をクリアするため、豊中市へ着色模型を持参し設計意図を説明しながら了承をいただくというような作業を繰り返した。
シェフの料理に対する情熱とその料理を提供する空間のこだわりは並大抵ではなく、閉店後の店内で深夜まで打合せが続く日々。私も食べることが好きで、彼の料理の原点、かつて修業していた南仏カンヌ近郊の2つ星レストランを訪れたこともあり、南仏独特の光と影のイメージを店舗に生かしたいという共通のテーマが2人を日々突き動かしていたのかも知れない。最終的にその思いは木漏れ日をモチーフにしたデザイン壁や3m×3m厚さ12mmのガラスを嵌め込んだ連続した開口部、水面のゆらめきを天井に映す玄関ポーチなど、そこここで「光が遊ぶ空間」へと昇華していった。
模型上から 2階店舗部分はキャンティレバーになっていることが分かる




上段左:1階駐車場 EVホールを見る
木漏れ日をデザインした壁から光が差し込む
上段右:道路向いから
日が落ちるとともに3階の姿は薄れていき、
2階のレストランが浮き上がってくる
中段左:2階レストラン 日暮れの様子
中段右:2階レストラン
光が反射して本物の木漏れ日のように映る
下段:3階K邸リビング テラスの方向を見る
3階住居部分は料理作りに専念する為、余分なものを排除しストイックな空間を希望された。
テラスからは南に大阪梅田の高層ビル群、西に六甲の山並みを望むことができるほど空間の抜けがあり、日々の光の移ろいや夜空に輝くオリオン座も見てとれる。
3階K邸テラス リビングの方向を見る 下方には以前営業をしていたお店が見える
スタジオクランツォ一級建築士事務所 http://www.studiocuranzio.com
山口是彦 / Yoshihiko Yamaguchi

1990年 建築デザイン工房設立
2001年 スタジオクランツォ1級建築士事務所設立
2006年~中央工学校OSAKA講師
第18回INAXデザインコンペティション銀賞「S邸」
第19回INAXデザインコンペティション銀賞「鴻池の家」
第20回デザインコンペティションテーマ賞「北摂の民家」
第13回住いのリフォームコンクール企画賞「北摂の民家」
第1回エフィル空間プランニングコンテスト優秀賞
kawana @ 11:26 AM
2009/03/03
お施主様は、当初、新築の予定は考えておられなかったのですが、お住まいのマンションのすぐ近くに、周辺よりもかなり安くて広い土地が売りに出ているのを見つけられ、家を建てることになりました。畑の一角の緩やかに傾斜した旗竿敷地であったため、当初ハウスメーカーに相談するも、土地の造成と合わせると予算を超えることから、知人を介して私にご相談がありました。
私の事務所が神戸で、お施主様が千葉でしたが、2週に1度の打合せと、それを補完するメール等のやり取りで、十分対応することができました。また、現場管理も遠方でしたが、2週に1度の割合でおうかがいし、現場のきちんとした施工体制のもと、問題なく良い住宅を作ることができました。
土地を平に造成することを避けて傾斜地を活かすことと、地盤があまりよくなかったことから2階建てを避け、斜面に沿ったスキップフロアの木造平屋建で計画すること、土地の広さを活かしながら風通し、採光をよくするため、全体のボリュームを南北に並んだ2列に配置することなどで、この土地の良さを引き出すように考えました。


そこにお住まいになる方の「生活」を重視して設計しています。住みやすいことはもちろんですが、それに加えて、自然や季節を感じる空間や仕掛けを取り入れて、日々、新しい気づきがあるような家をご提案しています。
千葉県流山市
2005年12月竣工

長尾健建築研究所 http://www.ken-nagao.com/
長尾 健/Ken Nagao
1991 神戸大学工学部環境計画学科卒業
1993 神戸大学大学院工学研究科修士課程修了
1993 株式会社いるか設計集団入社
2000 長尾健建築研究所設立
kawana @ 11:01 AM
2009/01/25

京都高野の閑静な住宅街に建つ住宅である。
親子二人で住むこの家にはやさしさと堅牢さが求められた。また、昨年施行された「京都市新景観法」による制約の中で可能な限りデザインを追求した作品でもある。
敷地は公団の共有緑地に接しており、3本の松を借景として西側を大きく開いている。
角地であるため外観に対しては施主もかなりのこだわりを持たれ、2階部分はチタン亜鉛合金張りのボリュームとし、素材のもつ独特の色彩が西日対策として嵌め込んだ木製ルーバーと緑地帯の3本の松とで絶妙なバランスを見せている。
吹抜をもつリビングは、北側に設けた中庭とトップライトにより、明るく爽やかな空間となっている。
また視界を遮らない華奢な階段や壁にしまいこめる大型建具を採用することで、視線を緑地帯や鴨川沿いの桜並木へとつなげ面積以上の拡がりを感じられる。
職人が心を込めて塗った白い壁は、光をバランスよくコントロールし、木製のキッチンや建具が施主の選んだ新しい家具と調和してやさしく落ち着いた空間になった。余談になるが和室は障子から漏れる光によって天井があまりにも美しく映ったので、天井付けの照明器具をなくすことにした。夜は行灯を灯し、気の合う友人達とこもれる隠れ家のような空間となった。
(澤村昌彦建築設計事務所所長 澤村昌彦)

景観条例施行後間なしの設計で、厳しい審査のなか出来上がる自宅は、「こんな家に住んでみたい」 わくわくの日々。
黒鉄の玄関に自転車が置ける土間は、お坊さんの参道も兼ね、奥は行灯だけが燈す和室。白ペンキの内壁と栗無垢床の吹き抜けリビングはとても明るく風も抜ける。前の家は居間が暗かったのが不満の種だった。
念願のホームシアターにも対応できるようにしてもらった。日差しが稼げるように洗濯物干しを2階に。環境にも配慮し外面は全て真空ガラス(前は暑くて寒かった)にしたオール電化のエコハウス。
澤村さんと出会って丸2年。 待ちわびた我が家は粘り勝ちです。
(お施主様)


構造:木造
建築面積:103.59㎡
延床面積:111.48㎡
地上2階建
竣工:2008年11月
設計:澤村昌彦建築設計事務所
施工:株式会社かわな工業
澤村昌彦建築設計事務所 http://sawamuramasahiko.com/
澤村 昌彦/Masahiko Sawamura

1996 澤村昌彦建築設計事務所開設
2004 大阪市立大学非常勤講師
2000 「インターイントラスペースデザイン2000」デザイン賞
2002 JUKEN実施コンペ入賞
2005 日本デザイン振興会 グッドデザイン賞
2007 松下電工「レジデンシャルライティングアワード2006」最優秀賞
kawana @ 8:11 PM
2008/10/30
施主は40代のご夫婦ふたり。最後の住まいになるだろうということで、彼らの想いが存分につまった住宅となった。
具体的には3つの中庭をもち、室構成はリビングと寝室、2階には納戸。その他は水回りにドライルーム(室内の物干)とウォークインクローゼット。
鉄筋コンクリート壁式構造の内外を真っ白に塗り上げ、床や天井等から間接照明でライティング。キッチンから連続する壁面収納。全館空調機をそなえ、基本的に窓を開けない生活をとのことから、はめ殺し窓が多く網戸も設置していない。
工場地帯ということで汚れ防止のため、外壁仕上は光触媒塗装とわざと斑ができるようなウレタン塗装を吹付けている。
白い壁に対比するように斑のできる塗装、中庭の栗石、壁面収納のバックにはウォールナットの源平柄のパネル…綺麗につくりあげるだけで建築は美しくならないと思う。ただただ白いだけではだめだと思う。
人が綺麗につくること、その一方、人の手ではなんともできない不測の箇所、自然そのままの素材と対比させること。
それら素材の共鳴と空間のもつシークエンスがあいまって、空間はその深さを持つことを許されるのだと思う。







構造 RC
建築面積 111.99㎡
延床面積 126.68㎡
規模 地上2階建
竣工 2008年7月
設計:Den Nen Architecture
設計組織Den Nen Architecture http://den-nen.com/
角 直弘/Naohiro Sumi

1988 京都府立大学 生活科学部住居学科 卒業
1988 高松伸建築設計事務所 入所
1993 角直弘建築設計事務所 開設
1996 設計組織 Den Nen Architecture 結成
2006 「株式会社和空インターナショナル」設立 取締役就任
kawana @ 12:25 PM
2008/09/30
白い壁と大きな窓。モデルルームのようなこの部屋が、築30年のマンションの一室だという。
お施主様こだわりの、シックな黒のソファにあわせてデザインされたリビング。
選び抜かれた家具と装飾、それらの配置を完全に計算しつくした空間。
白い壁にかかる一幅の絵は、まるで画廊をそのまま切り取ってきたかのような印象を与える。それでいながら、キッチンや洗面、生活に密着するスペースとの間に、いかなる齟齬も見出せない。
完璧なバランスで、「美」と「生」は両立する。


築30年、3LDK、間口3.5間、80㎡のマンション。南バルコニーに面した間口1.5間の和室、2間の洋室の居室が二つ。玄関横に6帖の洋室、反対側に水回り、中央にキッチン、ダイニング、リビングの、1970年代に建てられた共同住宅の典型的な間取りのプランである。
夫婦、子供2人(成人)の家族4人が暮らすこの住まいの改装では、今までの形態を残さず一新し、近い将来の家族構成の変化や、生活スタイルにフレキシブルに対応できるプランを考えた。
間取りの基本的な考えは、ワンルームのように広く使え、家族の空間を完全に自立させず、障子や引戸などで曖昧に柔らかく引き離し、家族がお互いの気配を感じ取ることが出来るようにした。

窓のなかったユニットバスは、ケヤキが美しく見える既存の窓に面して、浴室、洗面を配し、明るく開放的な水周りとした。キッチンを部屋の中心に設け、ダイニング、リビングが一体となるようにした。西側の窓から眺められるケヤキや、障子で仕切られた和室が連続した空間となり、緑や光、風が抜け、気持ち良く日々の生活が楽しく過せる。
又、梁を隠した間接照明の演出により、夜は昼間とは違った雰囲気の、魅力的な空間となる。
(大西憲司設計工房 大西憲司)
構造:RC マンション2階
(リフォーム)
建築面積:78㎡
延床面積:78㎡
竣工:2008年8月25日
設計:大西憲司設計工房
施工:株式会社かわな工業
大西憲司設計工房 http://ohnishi-net.com/
大西 憲司/Kenji Ohnishi

1971年4月 清水和弥設計事務所 入所
1983年5月 オーク建築研究所 入所
1998年7月 大西憲司設計工房 開設
2003年 日本建築士連合会作品展優秀賞「御領の家」
2005年 大阪府建築コンクール大阪府知事賞「戸建の木の集合住宅」
他、賞暦多数
kawana @ 1:10 PM
2008/08/30
ご夫婦とお子様4人の6人家族の住宅です。
最初に建主様と敷地に入り、一角にあった小屋の椅子に腰掛け、敷地を歩きいろんな話をしました。
三方を隣家に囲まれ道路側もお向かいが良く見えました。ところが一方向は緩い下り斜面で視線が抜けその先に綺麗な山が見えました。一番眺めがいいのはこの向きだとお互いに思いました。丁度山に向いた小屋の椅子に座って話を続けました。夕方になり暗くなってくると山の上に月が出ました。この眺めが見られる居間を作りましょう、そんな話がどちらからともなく出てきました。そうして住宅の設計が始まりました。
庭に面した1階の居間は山に向かって斜めに伸びた配置をしています。ですが2階建ての建物全体は周辺の街並みに合わせて、敷地境界線に平行に配置しました。街に後から入る建主様の配慮です。
建主様は和を好まれました。和の感覚は伝統的日本家屋に由来します。ここでは現代の日本家屋を模索しました。太い柱梁で構成され建具の開閉で空間を使い分けた日本家屋を、現在の日本の普及された技術に置き換えると、鉄骨造が近いと考えました。6人家族の将来の変化にも対応できるよう柱は外周のみの6本とし、壁を全く無くしても構造上成立します。法的に許されたので外壁・内床は杉無垢板、内壁天井・建具はシナ合板で仕上げています。
2階は子供リビングと最小限の個室です。将来は大きな個室にも二世帯にも改修可能です。梯子を使って天窓から屋根に登れます。
(松下建築設計 一級建築士事務所 松下一樹)

夜の眺めを意識して作られたこの家で、日の光も明るい時間に感じるのは、ただ途方もない安らかさだ。杉無垢の木目、秘密基地のように天井から下がる紐、腰までの高さの本棚。施主と建築家の視線は、常に4人の子ども達の上にあったのだろう。
この家に住まう人、この家で育つ人、この家を訪れる人。誰にとっても居心地の良い家の、大きく開けられたリビングには、昼には昼の、夜には夜の、優しい光が降り注ぐ。



用 途 : 専用住宅
構 造 : 鉄骨造 地上2階
建築面積 : 98.09㎡
延床面積 : 167.91㎡
竣 工 : 2008年6月
所 在 地 : 滋賀県 大津市
設計 松下建築設計 一級建築士事務所
施工 ㈱かわな工業
松下建築設計 一級建築士事務所 http://www.matsushita-arch.com/
松下 一樹/Kazuki Matsushita

1969 神奈川生まれ大阪・奈良育ち
1992 関西大学工学部建築学科卒業
1992-2000 (株)日建ハウジングシステム
2001-2003 三井物産ハウステクノ(株)
2003-2006 フリーランス
2006- 松下建築設計 一級建築士事務所
kawana @ 1:29 PM
2008/07/30
出会いは住宅展だった。奈良でイタリアンレストランを営むご夫妻が、2号店の計画を持ってご来場。不安そうなお二人に、声をかけたのが井戸氏だった。
打ち合わせを重ねていくうちに、レストランと設計事務所、それぞれの経営者同士が、お互いの持つ経営理念に共感しあって話が進んでいったという。施主と建築家が、とことん腹を割って話し合い、信頼関係を築く中でこそ、よりよいものが出来る。ASJのシステムを最大限利用した濃密な打ち合わせを重ねて、念願の2号店は完成した。平行線を辿るプランと予算のすり合わせ、その困難な道のりを踏破したのは、「彼なら絶対成功する」という、施主様への強い信頼ゆえだったと井戸氏は語る。
オープンから1年が経った今、井戸氏の信じたとおり、小さなイタリアンレストランに客足の絶える日はない。

表側に配置されたキッチンは、道行く人の好奇心を誘う。 |

斜面上部よりの夜景。昼間とはまた違った佇まいを見せる。 |

大きく切り取られた窓の外は、涼しげなテラス席になっている。 |

落ち着いた照明が照らしだす店内。座席からも、大きな石焼窯のあるキッチンが見渡せる。 |

昼下がりの店内。穏やかな光の差し込む贅沢な空間だ。 |

古材を利用した壁際のベンチは、ローコストながら趣のある仕上がりに。 |
設計:株式会社A1・ID設計
施工:株式会社かわな工業
所在地:奈良県生駒市
構造:木造平屋建
敷地面積:638.49㎡
延床面積:60.03 ㎡
株式会社 A1・ID設計 http://www.a1-id.com/
井戸 正/Tadashi Ido

1956 岡山県に産まれる
1976 東京デザイン建築所 建築学科卒業
1976 巽住宅 設計部
1977 浜中建築環境設計事務所
1981 松野八郎総合建築設計事務所
1998 A1・ID設計室 開設
2001 有限会社A1・ID設計に改組
2005 株式会社A1・ID設計に改組
kawana @ 11:35 AM
2008/06/30
京都と大阪の間、長岡京の駅前再開発エリアに隣接する賃貸集合住宅です。
計画のスタート時からクライアントとの対話を通じ、いくつかの方針が決まっていきました。
- 大きなボリュームや多くの戸数を詰め込むのではなく、周辺環境との調和を。
- 内装や設備のグレードといった要素ではなく、ゆたかな空間そのものが将来に渡って価値を持ち続けること。
- 南北の広がりや線路沿いという敷地の特性を活かすこと。
これらは計画・詳細設計を経てクライアント、設計者、施工会社との綿密な打合せと検討を重ねながら現実化されていきました。
完成した建物は15戸/5階建という構成のなかで、様々な形状のメゾネット、L字型、T字型と、ほぼ全ての住戸が異なる平面を持ちながら、それらが立体的に重なり合い全体は比較的コンパクトなボリュームとなっています。
白を基調とした外観は部分的にコンクリートの素材感を出し、水平・垂直各方向に「抜け」をつくることで量感を際立たせるとともに、壁面の重なりが作り出す陰影が空間に奥行きと厚みを感じさせます。
また線路沿いという特性、南北に開けた土地という特徴は東面のファサードや、中央に大きくたっぷりと採った共用部分などに現れています。

内部においては、メンテナンスの観点から仕上げなどは一般的なものとしながら、各室の間取りは様々なタイプを混在させることで、SOHOや一人暮らし、カップルでの生活、子供のいる家庭など、多様な生活形式に対応するように計画しています。(MILLS ARCHITECTS STUDIO/鍵谷・井上)
堂々たるその威容は、さながら白亜の宮殿だ。 同時に、キューブ状にくり抜かれたベランダと左右非対称の絶妙なバランスが、舞い降りた白鳥のような軽やかな印象をも与えている。 重厚さと軽やかさ、相反する二つの要素を矛盾なく同居させているのは、この建物の持つシンプルで優雅な存在感だ。
古の眠る街。 偉大なる白は、どんな日も変わらずその洗練された立ち姿を誇り続けることだろう。


写真撮影:鈴木研一
建物名称:grand blanc
設計:MILLS ARCHITECTS STUDIO
施工:公成建設株式会社
用途:共同住宅(賃貸)
構造・規模:RC造5階建
敷地面積:833.74 ㎡
建築面積:294.69 ㎡
延床面積:1023.10 ㎡
MILLS ARCHITECTS STUDIO http://www.studiomills.co.uk/
鍵谷啓太/Keita Kagitani

1993-1994 スイス、イタリア在住
Ivano Gianora Architetto FAS勤務
1996 筑波大学芸術専門学群卒業
1996 松村組大阪本店設計部勤務
2000 kagi design shift. 設立
2004 MILLS architects studio共同設立
井上佐和子/Sawako Inoue

1994京都工芸繊維大学造形工学科卒業
1994 松村組大阪本店設計部勤務
2001-2003 イギリス在住.Univ. East
LondonにてPeter Salterに師事
2003 ICU一級建築士事務所 所属
2004 MILLS architects studio 共同設立
kawana @ 12:05 PM
2008/05/30



この計画は、尖山という閑静な住宅地に建つメーカー住宅の
全面改装工事である。
2006年9月、城陽のイベントにてお知り合いになり設計を
させていただくこととなった。 当初の予定をオーバーしたもの
の、私の設計を全面的に気に入っていただき、無事竣工を
迎えることができた。
来客も多いご家庭で、当初からのご要望でもあったダイニング
の掘り座卓を中心に吹き抜け空間が拡がる。
ご主人の書斎、子供たちの空間。家族とのつながりを重視される
ご夫婦の思いを実現するために上下階をつなぐ吹き抜けは必要
不可欠であった。
その中心にある掘り座卓のタモ材無垢のカウンター。
ここに全ての思い(この家に関わったひとの)が凝縮されたのではないか。

「家」は思いをかけたほど、また手をかけるほど家のポテンシャル、つまり「重さ」が生まれると考える。
この先、数十年の年月を経たとしてもこの家には美しい風が吹いていると私は信じている。

天野建築設計工房 http://www.amano-aa.jp/
天野 拓夫/Takuo Amano

1983 京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科 卒業
1985 出江寛建築事務所 入所
1992 天野建築設計工房 設立
1994 香川県建築士会作品賞(瀬戸内の家)
1995 三井ホ−ム20周年記念設計競技 最優秀賞
1998 三井ホ−ム20周年記念設計競技 最優秀賞
kawana @ 12:19 PM